近年の日本バスケでは、ドリブル技術に長けたプレイヤーが多く存在しますよね。カテゴリー問わず重要なスキルのため、育成年代の指導者にとって、子供たちに高いドリブル技術を身につけさせることは一つの使命だと感じてます。
この記事では、私の考えるドリブル技術の重要なポイントや練習時に意識すべきポイントについて、詳しく解説していきます。
ドリブルが上手な人とは?
皆さんはドリブルが上手な人と言われて誰を思い浮かべますか?私は、ステフやカイリー、日本なら富樫選手などが思い浮かびますね。
では、彼らはなぜドリブルが上手いとされるのでしょうか?
ここでは、私の考えるドリブル上手い人の特徴を解説したいと思います。目標設定にお困りの方はぜひ参考にしてください。
ディフェンスのプレッシャーに対して自滅しない
上手いガードはボールを無くさないと言われるように、ドリブル技術に長けたプレイヤーは、ハードなディフェンスのプレッシャーに対してもボールをロストしません。
また、プレッシャーを受けたときに動揺せず、落ち着いて対応できるのも、ドリブル技術の高さとそれ故の自信があるからだと思います。
どんなに、難しい技が使えたとしても、ディフェンスがいるとミスしてしまうようなら、まだまだ練習の余地があると考えています。
有利な1on1が仕掛けられる
ストリートボーラーのような、1on1に強いプレイヤーってドリブルが上手い印象ありますよね。
ドリブル技術に長けたプレイヤーは総じて、ディフェンスの重心を崩したり、間合いやズレを作り出すことが凄く上手いです。また、ドリブルの動作の中で、緩急をつけた動きやフェイントを巧みに使いこなします。
ディフェンスの動きをよく観察することも重要で、そのためにはボールから目線を外し、前方に視野を広げる必要があります。
これらのテクニックを要して、相手と駆け引きをしながら有利な1on1を仕掛けられるようにドリブル技術を高めて欲しいと思っています。
常に攻めることができる状態を保てる
これはドリブル中の姿勢のことですね。バスケは展開の早いスポーツなので、どんな状況でも最適なプレーを選択できるようにしたいものです。シュートやドライブなどの動作にスムーズに移るために、重心を下げ、胸を張った姿勢を崩さないようにすることは、重要だと考えています。
バスケを始めたばかりのプレイヤーは、ディフェンスのプレッシャーに負けて、背中を向けてドリブルをすることがあります。ボールを取られないように考えた結果だと思うので、悪いとは思いません。ただ、少しづつドリブル技術を身につけ、より次の動作に移りやすい姿勢を維持できるようになって欲しいと思います。
常に攻めることができる状態を意識して保つことは難しいです。無意識にできるように普段の練習から注意し、習慣にできることが望ましいですね。
素早いトランジションの中でミスをしない
素早いトランジションの中でミスをしないためには、ドリブルの正確さが求められます。
試合の流れが速い中で、ドリブルから素早く正確なパスやシュートを行うことは非常に重要です。いくら静止した状態での巧みなドリブル技術を持っていようが、バスケではそんな局面は滅多にありません。早い展開の中でも、静止した状態と同様の正確性を持ってドリブルを行えることがドリブルの上手い人の特徴と言えるでしょう。
素早いトランジション中のドリブル技術は、ミスからのターンオーバーを減らすだけでなく、攻守の切り替えをよりスムーズにすることができます。これにより、試合のテンポをコントロールし、試合の主導権を握ることができるのです。まさに、PGが目指すべき姿ですね。
ドリブルの技術で重要なこと
ドリブルが上手な人の特徴がわかったところで、次はどんな技術が重要になるかを紐解いていきましょう。
基本的には、前章で挙げたドリブルが上手な人の特徴そのものですが、より詳細に具体化していきたいと思います。
ミスやファンブルが少ない
上手な人の特徴で挙げたように、ディフェンスからプレッシャーを与えられた時や早いトランジョンの中でも、ミスやファンブルをしないことは重要です。とはいえ、ノーミスで試合を終えることはプロの選手でも難しいことなので、ミスを減らすことを目標にしていきましょう。
ディフェンスとの間合いやズレを作れること
このスキルは、1on1の強さに直結しますね。緩急をつけたドリブルや、ロッカーモーションなどの重心移動を使ったフェイントを使ってディフェンスとの間合いやズレを作れるようになりましょう。
また、相手の動きをよく観察し、どのタイミングで間合いを広げるべきかを見極める能力も必要です。一見、ドリブル技術とは、異なる技術に思えますが、ドリブル中のフットワークや、視野を広げた状態でドリブルすることは、ドリブルの練習で養われるものです。
間合いやズレを作る技術を磨くことで、ドリブルの効果を最大限に引き出し、試合の流れを有利に進めることができるでしょう。
正しい姿勢を維持できる
姿勢が整っていることで、重心が安定し、速やかに動けるようになります。まず、腰を落として重心を低く保つようにしましょう。また、膝を柔らかく使い、バランスを崩さないようにすることも大切です。上半身はリラックスさせつつ、視線を前方に向けて広い視野を確保しましょう。
ドリブル中に体が揺れたり、姿勢が崩れると、ボールのコントロールが難しくなるため、日頃の練習で正しい姿勢を意識しておくことが重要です。正しい姿勢を維持することで、ドリブルの精度と効果が向上し、より高いパフォーマンスを発揮することが可能になります。
広い視野を持つこと
ドリブル中には、顔を上げて視線を前方に向けることを心掛けましょう。これにより、ディフェンスやチームメイトの動きを迅速に察知し、次のプレイに繋げることができます。また、視野を広げることで、パスやシュートのチャンスを見逃すことなく、攻撃の選択肢を増やすことができます。
ボールに視線を落とす時間を減らし、スムーズかつ正確にドリブルができるように練習しましょう。
練習の時に意識すること
ここでは、ドリブル技術の重要な点を理解した上で、練習を効果的に行うために意識するポイントについて解説します。
練習時には、目標を明確に設定し、具体的なプランを立てることが基本です。難易度の低い順に解説するので、ぜひ現在の状況に合わせて目標設定の参考にしてみてください。
正しい姿勢で練習する
まずは、正しい姿勢で練習することを意識しましょう。正しい姿勢を意識した練習を続けることで、自然に身体に染み付き、試合でも無意識に良いパフォーマンスを発揮できるようになります。誤った姿勢で練習を続けてしまうと、その姿勢が癖になってしまい、ボールコントロールが悪くなったり、ボールに十分な力が伝わらず弱いドリブルになってしまう可能性があります。
指導者やチームメイトに見て貰いながら練習したり、練習を撮影し後から見直すなども有効です。
視線を上げて練習する
正しい姿勢が維持できるようになったら、少しづつボールから目線を外し、視線を上げて練習するようにしましょう。最初のうちは、ボールと前方を交互に見るようにし、少しづつボールを見る時間を減らしていくことがおすすめです。
また、実際の試合では、視野を広げたことで得られた情報で、状況判断する必要があります。頭を使う要素も取り入れることで、より実戦に近い練習ができることでしょう。私は、ドリブルしながらじゃんけんさせたりしてます。遊び要素もあるので、楽しんで練習してくれてます。
左右の手で練習する
これも非常に大事ですね。必ず、左右の手で練習するようにしましょう。
バスケットにおいて、左右の手を均等に使いこなせることは大きなアドバンテージとなります。どちらの手でドリブルをしても、正しい姿勢で、視線をあげて、正確にドリブルができるように練習しましょう。
あたりまえですが、無意識のうちに利き手でドリブルする機会は増えていきます。利き手と逆の手で練習することは、意識的に行っていきましょう。
プレッシャーをかけて練習する
ある程度、普通にドリブルがつけるようになったら、プレッシャーをかけて練習するようにしましょう。
実際に、ディフェンスをつけて練習をすることで、より試合に近い状態で練習することができ、試合中でもミスやファンブルを減らすことに繋がります。
プレッシャーを受けた状態でも、姿勢を維持したり、視線を上げることを忘れないようにしましょう。また、ディフェンスの位置や、状況に応じて左右の手を使い分け、様々な状況に対応できるようにしていきましょう。
緩急をつけて練習する
慣れてきたら、少しづつスピードや力の強弱を変えて練習していきましょう。
あえて強くドリブルをついたり、早く走りながらドリブルをついたり、逆にゆっくりと動いたりなど変化を持たせることで、様々な筋力を使えるようになり、緩急のあるプレイが可能になります。
身につけるべきスキル・テクニック
最後に、ドリブル技術を高めるために身につけるべきスキル・テクニックの一例を紹介します。
クロスオーバーやステップなど、細かい技術は別の記事で紹介しようと思うので、今回はざっくりとした技術紹介になりますが、これらの技術を身につけることを目的に様々な技を習得して貰いたいです。
ボールを左右に切り返す技術
ボールを左右に切り返す技術は、ディフェンスとのズレを作る際や、ディフェンスを交わす際に必要な基本的なドリブル技術です。特にフロントチェンジやインサイドアウトといったテクニックは、相手の重心をずらし、突破の機会を生み出します。
基本的な動作故に、世代を問わずに多くのプレイヤーが駆使している技術になります。反復的に練習を重ね、スピードや力の強弱、正確性などを高めていきましょう。
体を反転させてディフェンスをかわす技術
体を反転させてディフェンスをかわす技術は、ディフェンスを効果的にかわし、自由にプレーするスペースを確保できます。特にロールターンと呼ばれる技術が代表的で、体を素早く回転させることで、ディフェンスを避けつつボールを守ることができます。この技を習得するためには、体のバランスと柔軟性が求められ、練習を通じて体幹を鍛えることが不可欠です。また、反転動作は一瞬の判断力が試されるため、実戦形式の練習で瞬時の判断力を鍛えることも効果的です。
ディフェンスとの間合いを作る技術
ディフェンスとの間合いを確保することで、プレイヤーはより多くの選択肢を持ち、効果的なプレーを実現できます。
ドリブルをつきながら、逆の手をアームバーとしてガードすることで、ディフェンスとの距離を保ち、ボールを取られる可能性を減らすことができます。
また、急にスピードを上げたり、逆に緩めたりすることで、相手の重心を崩し、間合いを作り出すことも可能です。相手をかわすだけでなく、スペースを作るためにクロスオーバーや、ステップを使えるようになりましょう。
ボールを見ないでドリブルする技術
ドリブルテクニックではないですが、重要なのでもう一度。
とにかく、ボールを見ないでドリブルできるようになりましょう。ボールを見ずにドリブルするためには、手首と指先の感覚を研ぎ澄ませ確実にボールをコントロールすることが重要です。
この技術は、一朝一夕のものではなく、反復練習によって磨かれるものです。たくさん練習して上手になりましょう。